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2003/11/14(00:07:23)
[題]:Tuned128M ステップ毎の増設手順例
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【前書】
 FHPPC 9番会議室の成果である 200LX 用の 「Tuned128M メモリーキット」が配布されました。
このキット、市販の製品と見まごうばかりの仕上がりで、しかも作り易いと思います。

 このキットを使って、順次 32MB → 64MB → 96MB → 128MB 化する手順を書いてみました。
メモリーチップ2個づつ乗せて、 動作確認しながら進めたほうが作業時間は掛かりますが、「急がば回れ」ステップを踏んで押さえ
ながら行えば動作しない場合でも原因の絞り込みもし易いので、 128MB 化への手順の一例として書きます。

 以下の手順のように
マザー基板上の既存 DRAM は、 作業の後半で除去するようにします。
新ハードでは 96MB 化の確認まで、旧ハードでは 64MB 化までは、マザー基板上の既存 DRAM は剥がしません。
そうすれば、例えば今週は 32MB 化まで完成させて使い、次週 96MB 化すると云う感じで順次確認しながら 128MB 化できると思
います。


【ポンチ絵】

メモリーチップ (DRAM) の場所は下図を参照してください。
ロジックゲート IC の2個は基板の▲1印しに合わせて半田付けします。(表記文字に対して上下逆さまになります)

  ┌───────────────────────────────────┐
  │┌───┐ ┌───┐ ┌───┐            ┌───┐            +-+ │
   1│●    │1│●    │1│●    │           1│●    │      HC00  | | │
  ││      │ │      │ │      │            │      │   ┌──┐ | | │
  ││  D  │ │  C  │ │  B  │            │  A  │   │    │ | | │
  ││      │ │      │ │      │            │      │   │  ●│1| | │
  ││      │ │      │ │      │            │      │   └──┘ | | │
  │└───┘ └───┘ └───┘            └───┘     LCX00  +-+ │
  │┌───┐ ┌───┐ ┌───┐            ┌───┐R0┌──┐      │
   1│●    │1│●    │1│●    │           1│●    │■│    │  ┌─┘
  ││      │ │      │ │      │            │      │  │  ●│1 │
  ││  D  │ │  C  │ │  B  │            │  A  │R1└──┘  │
  ││      │ │      │ │      │            │      │■    ■ A11│
  ││      │ │      │ │      │            │      │   ■       │
  │└───┘ └───┘ └───┘            └───┘   A10      │
  └─────────────────────────────────┘



【新ハード】ステップ毎の増設手順
以下の各ステップでは、一応最後に chkdsk でドライブ容量を確認していますが、スキップしても構いません。

《 32MB 化手順 》
(既存 DRAM はまだ除去しないので正確には 34MB 化)

1)コネクタピンを半田付け。
2)ロジックゲート IC 2個を半田付け。
3)ポンチ絵の DRAM Bのチップ2個、およびパスコンを2個半田付け。
4)A10,A11 をリード線でホーネットの 133(A10),132(A11) ピンに半田付け。
5)1〜4の半田付け部分をルーペで十分に目視チェック。
6)組み立てて RAM テストを行い、以下のカウント後に "34M OK" 表示を
  確認する。
        バンク :   0    3
        カウント:  127  D47
7)コマンドラインから一度 rdt2t を実行し、環境を構築してシステムリセット
  で再起動後、生DOSから chkdsk を行い、CとFの容量を一応確認する。
Cドライブ
1401856 bytes total disk space
512 bytes in each allocation unit
Fドライブ
33486848 bytes total disk space
2048 bytes in each allocation unit
《 64MB 化手順 》
(既存 DRAM はまだ除去しないので、正確には 66MB 化)

1)32MB 化が済んだら、DRAM Cのチップ2個、およびパスコンを2個半田
  付け。
2)半田付けした部位をルーペで十分に目視チェック。
3)組み立てて RAM テストを行い、以下のカウント後に "66M OK" 表示を
  確認する。
        バンク :   0    2    3
        カウント:  127  D47  D47
4)あとは rdt2t を組み込んでシステムリセットで再起動後、生 DOS に降りて
  chkdsk でCとFの容量を一応確認する。
Cドライブ
1400320 bytes total disk space
512 bytes in each allocation unit
Fドライブ
67024896 bytes total disk space
2048 bytes in each allocation unit
《 96MB 化手順 》
(既存 DRAM はまだ除去しないので、正確には 98MB 化)

1)64MB 化が済んだら、DRAM Dのチップ2個、およびパスコン2個を半田
  付け。
2)配線板の R1 をリード線でホーネットの 126(RAS1) ピンに半田付け。
3)半田付けした部位をルーペで十分に目視チェック。
4)組み立てて RAM テストを行い、以下のカウント後に "98M OK" 表示を
  確認する。
        バンク :   0   1   2   3
        カウント:  127 D47 D47 D47
5)コマンドラインから一度 rdt2t を実行し、システムリセットで再起動後、生
  DOSから chkdsk を行い、CとFの容量を一応確認する。
Cドライブ
1401856 bytes total disk space
512 bytes in each allocation unit
Fドライブ
100546560 bytes total disk space
2048 bytes in each allocation unit
(左画像の RAM テスト表示は、倍速のため乱れていますが 98MB です)
《 128MB 化手順 》
(既存 DRAM を除去します)

1)96MB 化が済んだら、DRAM Aのチップ2個、 およびパスコン2個を半田
  付け。
2)マザー基板上の既存 DRAM を除去する。
3)R0 をリード線で除去した DRAM 跡地の RAS0 ピンランドに半田付け。
4)組み立てて RAM テストを行い、以下のカウント後に "<8M OK" 表示を
  確認する。
        バンク :  0   1   2   3
        カウント: D47 D47 D47 D47
5)コマンドラインから一度 rdt2t を実行し、システムリセットで再起動後、
  生 DOS から chkdsk を行い、CとFの容量を一応確認する。
Cドライブ
32829440 bytes total disk space
2048 bytes in each allocation unit
Fドライブ
100546560 bytes total disk space
2048 bytes in each allocation unit
RAS0 ピンランドは、左図のように中央の間隙から数えて4ピン目です。




【旧ハード】ステップ毎の増設手順
以下の各ステップでは、一応最後に chkdsk でドライブ容量を確認していますが、スキップしても構いません。

《 32MB 化手順 》
(既存 DRAM はまだ除去しないので正確には 33MB 化)

1)コネクタピンを半田付け。
2)ロジックゲート IC 2個を半田付け。
3)ポンチ絵の DRAM Bのチップ2個、およびパスコン2個を半田付け。
4)A10,A11 をリード線でホーネットの 133(A10),132(A11) ピンに半田付け。
5)1〜4の半田付け部分をルーペで十分に目視チェック。
6)組み立てて RAM テストを行い、以下のカウント後に "33M OK" 表示を
  確認する。
        バンク :  0   1   3
        カウント: 31 31  D47
7)コマンドラインから一度 rdt2t を実行し、システムリセットで再起動後、生
  DOS から chkdsk を行い、CとFの容量を一応確認する。
Cドライブ
356352 bytes total disk space
512 bytes in each allocation unit
Fドライブ
33486848 bytes total disk space
2048 bytes in each allocation unit
《 64MB 化手順 》
(既存 DRAM はまだ除去しないので正確には 65MB 化)

1)32MB 化が済んだら、DRAM Cのチップ2個、およびパスコン2個を半田
  付け。
2)半田付けした部位をルーペで十分に目視チェック。
3)組み立てて RAM テストを行い、以下のカウント後に "65M OK" 表示を
  確認する。
        バンク :  0   1   2   3
        カウント: 31   31  D47 D47
4)あとは rdt2t を組み込んでシステムリセットで再起動後、 生 DOS から
  chkdsk を行い、CとFの容量を一応確認する。
Cドライブ
354816 bytes total disk space
512 bytes in each allocation unit
Fドライブ
67024896 bytes total disk space
2048 bytes in each allocation unit

《 96MB 化手順 》
(既存 DRAM を1個除去するので、正確には 96.5MB 化)

1)64MB 化が済んだら、DRAM Dの2チップ、およびパスコン2個を半田
  付け。
2)マザー基板上の既存 DRAM(RAS1側) 1個を除去する。
3)R1 をリード線で除去した DRAM 跡地の RAS1 ピンランドに半田付け。
4)半田付けした部位をルーペで十分に目視チェック。
5)組み立てて RAM テストを行い、以下のカウント後に "96 1/2M OK"
  表示を確認する。
        バンク :  0   1   2   3
        カウント: 31  D47 D47 D47
6)コマンドラインから一度 rdt2t を実行し、システムリセットで再起動後、生
  DOS から chkdsk を行い、CとFの容量を一応確認する。
Cドライブ
****** bytes total disk space
512 bytes in each allocation unit
Fドライブ
********bytes total disk space
2048 bytes in each allocation unit
《 128MB 化手順 》
(既存 DRAM 残りの1個を除去します)

1)96MB化が済んだら、DRAM A のチップ2個、およびパスコン2個を半田
  付け。
2)マザー基板上の既存 DRAM(RAS0側)の残りの1個を除去する。
3)R0 をリード線で除去した DRAM 跡地の RAS0 ピンランドに半田付け。
4)半田付けした部位をルーペで十分に目視チェック。
5)組み立てて RAM テストを行い、以下のカウント後に "<8M OK" 表示を
  確認する。
        バンク :  0   1   2   3
        カウント:D47 D47 D47 D47
6)コマンドラインから一度 rdt2t を実行し、システムリセットで再起動後、生
  DOS から chkdsk を行い、CとFの容量を一応確認する。
Cドライブ
32829440bytes total disk space
2048 bytes in each allocation unit
Fドライブ
100546560bytes total disk space
2048 bytes in each allocation unit
RAS0/1 は、左図のように中央の間隙から数えて4番目のピンランドです。



【その他の手順例】
Tuned32M 、或いは T.N.S. AddRAM/LX を使っていて、これに今回の Tuned128M を交換増設する場合は、マザー基板上の DRAM
は既に除去されているので、
A10,A11,RAS0,RAS1 をそのまま所定の位置に配線し、
  1)のチップ2個で 32MB 化の動作確認。
  2)更にのチップ2個を追加して 64MB 化の動作確認。
  3)更にのチップ2個を追加して 96MB 化の動作確認。
  4)更にのチップ2個を追加して 128MB 化の動作確認。
と容量毎にステップを押さえながら動作確認して、最終的に 128MB 化できます。


【トラブルチェック】

★半田付け後は、アルコール等を浸した綿棒で清掃すると、付着したフラックスも取れてルーペでの目視チェックもし易いと思います。
★コネクタピンを切り落としたときのピン屑や、ヤスリ掛けした場合は切り屑が付着しているかも知れません。屑を吹き飛ばすダスト
  フリー等のエアースプレーが使えます。

★半田付け部分を何度チェックしても起動すらしない場合は、コネクタピンの取付け作業時に、基板のパターンを傷めてしまった可能
  性もあります。ルーペでチェックできない場合は、テスターで断線していないか調べてください。


【その他】

★RAM テストは結構電池を消耗します。 お持ちであれば AC アダプターを使うのも手です。 電池類が無いとアラームが2度出ますが、
  [ESC] キー2度押せば電池を入れなくても RAM テストできます。
★動作チェック用の起動ディスクとして、フラッシュ ATA カードや CF を作っておいたほうが、面倒がないと思います。
★容量の大きいFドライブを見に行くのに少し待たされます。気休めですが、MODCLST.EXE でクラスターサイズを大きくすれば、気持ち
  早くなるかも知れません。


【謝辞】

このプロジェクトの最後の僅かな期間ですが、参加させていただくことができました。
本プロジェクトに尽力された方々に感謝申し上げます。 _(..)_

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